やっと気力がわく

翌日の朝、私が朝食の用意をしていると、
あんなちゃんと聡史さんが、太陽と光子、カレンちゃんと広海(ひろみ)君を連れ出して、
散歩に行ってくれた。

やっとご飯を作ろうという気力がわいたことが、うれしい。
お世辞でも「おいしい」と言って食べてくれる人がいるというのは、うれしいものだ。
(我が子たちはおいしいと言わないので(涙))


また私以外の大人の人と一緒に、
ご飯を離婚引越ししたこの家で食べるのは(元夫以外では)初めてだ。

シングルマザーになると、家では子どもしか相手がいない。
大人の会話ができない。

このことがどんなにつらいか、寂しいか・・・。

やっとまともな朝食

さてみんなが戻ってきて、一緒に朝食を食べた。
それから太陽が、昨日父方のおばあちゃんにいただいてきた、たくさんのりんごと梨を台所から持ってきて、カレンちゃんに見せびらかした。 私が皿洗いをしている間、あんなちゃんに何個も何個もりんごと梨をむいてもらって、おなかがいっぱいになるまで、デザートを楽しんだ。

離婚引越しして、 会話のできる大人が食卓にいる、やっとまともな食事ができた、という気がした。

夢のようなドライブ

それから、山の中にある巨石群を見に行った。
山の中に、でっかい岩がたくさん積み重ねられている不思議な場所だ。

聡史さんのでっかい車に、私たち3人も一緒に乗って、連れて行ってもらった。
離婚引越しをして以来、誰かの車に乗せてもらうのは、初めて。

離婚したら、夫の運転する車の助手席に乗るなんてことはないから、
いつも自分ひとりで運転して、
いつも自分ひとりで子供たちをどこにでも連れて行かなければならなかった。


育児をかわりにしてくれる人が、家の中にいない。
家事をかわってくれる人もいない。

ひとりで全部の責任を負うということ、
ひとりで何でもやらなければならないということ、
自分がやらなければ状況が何も変わらない
ということを、
私は毎日重たく重たく感じていた。

運転をするのも私ひとり、他に運転できる人はいない。
お料理できる人も私ひとり、他にお料理できる人はいない。
家の戸締りを確認するのも私ひとり、他に確認できる人はいない。


そんな毎日で、うつになっていた私。
今日は聡史さんが運転してくれる車に乗せてもらえたから、自分で運転しなくていいということが夢のようだった。
誰かが運転してくれる車に乗るって、なんて楽ちんなんだろう!

事故を起こさないように緊張することもなく、座席に座ったまま、居眠りしたっていいのだ。
標識や信号も見なくていいし、ただ座席に座っていれば、それだけで目的地に連れて行ってもらえるのだ。
なんと、ありがたいことだろう!





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