軽トラック初運転

畳を干した引越しの前々日は、他にもすごく頑張ったよ。

別の友人が子供たちを彼女の家に連れ出してくれた後、畳を干している午後、まりなちゃんに一緒に来てもらってホームセンターに買出しに行った。
照明器具や、娘がポットン便所(汲み取り)に落ちたら困るのでその上に置くポータブルトイレなどを買いたかったのだが、 誰かに一緒に選んでほしかったのだ。
自分で決めることだけど、これで大丈夫かしらねえと安心を求めたかったのだ。

照明器具は4つ買ったのですごくかさばり、車のトランクに入らない。
無料で配達してくれないかとお店に頼むと、配達は有料、
ただし1時間以内なら軽トラックを無料で貸し出すと言われた。

ああ、ありがたい。
無料なら何でもいいやと思うほど、引越しで予想以上にお金がかかり、出費にピリピリしていた私。


「ただし、マニュアルですけど」と言う店員に、マニュアル車が自家用車の私は「大丈夫です」と胸を張って軽く答えた。
赤ちゃんをおんぶしているまりなちゃんには店に残って待っててもらい、私は荷台に荷物を載せると、乗用車より高い運転席によじ登った。
ホント、初めての軽トラックはよじ登るって感じだった。
足踏み台に片足を乗せ、ハンドルにつかまって、体をなんとか座席に引き上げた。
キーを差込み、まわす。

ギアが入りにくい。
4速までしかないことに、驚く。

初めての車は慣れるまで運転しずらい。
しかも初めての軽トラック。
事故だけは起こさないようにと、緊張して車を発進させた。


でも運転席が高いので、眺めがいい。
視界が広くて、よく見える。

軽トラックだと、乗用車もなんとなく一目置いてくれているような視線を感じる。
商用車だと思われるからかな。
(本当は、ああ、のろい車が来た。でも軽トラックなら、仕方ないなあといった感じかな)。

けれども私はまるでダンプカーの運ちゃんにでもなったかのように、うれしくって、鼻息荒く興奮して、車を走らせた。

異常な高揚感

家まで5分。
荷物を降ろすと、すぐに店に引き返した。
家からの帰りは軽トラックにも慣れてきた。

右折するとき、信号待ちしている車がみんな運転席に乗っている私を見たように感じた。
まるで、最近よく見かけるようになった大型トラックを運転するお姉さんを私が尊敬の目で見るように、みんなが私を見ていると思い込んで!
一人で悦に入っていた。

というより、変な興奮状態にあった。 これから一人で子どもたちと暮らす不安が大きすぎるから、 目の前のことだけ見て、不安から目をそらし、 はしゃがないでは不安から逃れられない気分だったのだ。


お店の駐車場にまりなちゃんが待っていた。
「すごーい!カッコイーイ!」

初心者マークを付けて運転しているまりなちゃんには、すごくかっこよく映ったみたい、私が。
てへへ。
ちょっと鼻が高くなった。





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